ゴーストな彼
女の腕がゆっくりと動き
あたしを指差す
「何?
あたしが何なの?
あたし・・・
あなたなんて
知らない・・・」
小さく震える声で言うと
あたしの後頭部に
鈍痛が走った
この痛み・・・
起きているのに
昨日の悪夢が蘇る
頭重はどんどん
ひどくなり
あたしは立って
いられなくなり
その場に座り込む・・・
気が付くと
あたしは床に
座りこんでいた
確かにさっき
電源を切ったはずのTVが
ザーーと砂嵐を映し出す
「ヤダ・・夢・・・?」
何もかも
不確かなコトの中で一つだけ
あたしは確信していた
今のが夢だったにせよ
現実だったにせよ
あの女の人は昨日
第二霊安室に
眠っていた人だと・・・