ゴーストな彼

女が消えてしばらくすると
さっき逃げ出した悠が
いつの間にか
部屋に来ていた


「何よ!自分だけ
 さっさと逃げちゃって・・・」


あたしは涙目で
悠を責める


「ぃや、逃げたっていうか・・・」


「あの人でしょ?
 第二安置にいた人って・・・」


「ぅん・・・
 もう恨みの念だけでしか
 動いてない
 かわいそうな人だよ」


 恨みの念・・・


「ぁんな亡くなり方
 したんだもん当然・・・」


「ぇ?真紀、あの女が
 亡くなった理由を
 知ってるの?」


「ぅん・・・
 夢に見たの・・・
 
 たぶんあの人が意図的に
 見せたんだと思うけど・・・
 自分がどれ程
 無念だったかを・・・

 でも・・・
 何であたしに・・・?
 
 あたしに見せたって
 どうする事も
 できないのに・・・」

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