<季節>サンタクロースの願い事
「まっ君のお願い叶えてあげるからっ」



男のくせにウィンクしてきた、見習いサンタ。



(軽っ!)



「そのかわりさ、君のお願いを叶えるために必要な事があるんだ」



途端に始まった、聞いてもいない説明。



「ちょっ俺!別に叶えて欲しい事なんてないんだけど」



俺は、慌てて制止する。



「いーやっ!君は、絶対に何か叶えて欲しい事があるはずなんだ!



それを叶えないと俺のクリスマスが終わんねぇからっ



早く言っちゃってね!」



(っ~この男はっ!!人の話聞いてねぇっ!!)



俺の制止もなんのそのお構いなしに話の続きをし始める。



寒い夜のマンションのベランダ。



延々とこれから1時間近く



この男に付き合うことになろうとは・・・
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