<季節>サンタクロースの願い事
「了!どうだった?受かった?」



友達の呼びかけにコーヒーを飲んでいた、俺は顔を上げる。



「バッチシ!」



ピースサインの俺に友達は、「やったな~」って乾杯のポーズ。



「これで、俺たちも、4月からは高校生じゃん!」



友達の話を聞きながら、どこか遠くに俺は想いを巡らせる。



2か月前…



(何か大事な事があったはず…なんだよな~でも、思い出せない…)



心の中にモヤがかかっているみたいな感じ…



不思議な事は、見知らぬ女の子となぜか喫茶店でお茶してた事…



俺も、彼女もどうして、そこにいたのか記憶がさっぱり無くて…



「ほんと、不思議な事もあるもんだよな~…」



「ん?何か言った~?」



俺の独り言に友達が反応する。



「んにゃっなんでもねーよ!」



そう言って俺は飲み終わったカップを置いて席を立つ。
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