<季節>サンタクロースの願い事
「なぁ、了。大丈夫か?」



赤い顔してオデコに冷えピタを貼って



ベットに眠りこける俺の頭上からシュウジが顔を覗かせる。



昨日あれから帰ってから38℃台の熱を出した俺。



静まり返る昼間の家の中には俺の息遣いしか聞こえてこない。



親は共働きで今日も朝早くから仕事に出かけてる。



普段は、学校にいる時間の家は静かでなぜか淋しくも感じる。



だからか、シュウジの言葉にもホッとしてしまう自分がいた。



「大丈夫じゃねぇ・・・」



カラカラの口から出てきた言葉は、ひどく掠れていた。



「ちょっと待ってろよ!」



そう言ってシュウジは、俺の部屋から消える。



俺の思考回路は、そこで一旦途切れた。



次に目を覚ました時



俺の鼻に美味しそうな匂いが届いた。




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