<季節>サンタクロースの願い事
「これ・・・」



目の前の美味しそうなお粥を見て出た粗末な言葉。



「風邪の時は、やっぱりお粥じゃねぇ?」



シュウジの誇らしげな表情を見ながらスプーンで口に運ぶ。



「・・・うまい」



「よしっ」



俺の言葉を聞いて心配そうに見ていたシュウジは、ガッツポーズ!



(なんで、こいつって・・・)



俺の気持ちは、なんだか優しい空気に包まれていた。



シュウジは、それからも俺の冷えピタを取り換えたり



なぜか甲斐甲斐しく世話をしてくれた。



「なぁ、なんでそこまでしてくれんの?」



俺は、宙に浮いているシュウジに話しかける。
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