<季節>サンタクロースの願い事
(彼女だ・・・)



俺の目の前には、あの彼女が佇んでいた。



いつものセーラー服が風になびいている。



「あの・・・」



彼女は、俺の顔を窺う。



「あっ・・・」



いきなり彼女が前にいたのでボーとしてしまった。



「すいませんっ」



なぜか俺の口から謝罪の言葉が出てきてしまった。



「あっいや・・あのっ」



俺は慌ててベンチから立ち上がる。



頭の中は、パニック状態。



俺は、シドロモドロに手足を動かして挙動不審になっていた。



「クスっ(笑)」



彼女は、小さい口元に手をやりながら笑いをこらえている。



「ははっ(笑)ごめんなさい。あまりにも面白すぎて」



彼女は、そう言って笑いをこらえている。
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