<季節>サンタクロースの願い事
「誰かと待ち合わせ?」



彼女は、俺の横に座りながら俺のほうを向く。



「あっ嫌、特には」



「そう・・・」



彼女は、俺の横に座ってふーと白い息を吐き出す。



そのまま、数分だったがお互いに無言の状態が続く。



その状態に耐えられなくなったのは、俺のほう。



「あのっ」



シンとしているベンチ付近に俺の声が小さく響いた。



「俺、井山 了って言います。



今度またお話しに来てもいいですか?」



俺の言葉に一瞬驚いていた彼女は、ニコって笑う。



「私は、小西 愛子(こにし あいこ)。



うん、よろしくね。了くん」



「それじゃっ」



彼女の名前が俺の心にこだまする。



俺は、ベンチから離れて大急ぎでチラチラ降る雪の中を帰った。








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