<季節>サンタクロースの願い事
彼女・・・ 小西 奈々子は、俺を近くの喫茶店に促した。



喫茶店の中は、暖房が利いていて温かく



冷え切っていた俺の手をすぐに温めてくれた。



お互いに飲み物を注文し、提供された飲み物を口に含んでからやっと彼女が口笛を切った。



「さっきは、突然質問なんかしちゃってごめんなさい」



彼女は、さっきの事を謝り話を続ける。



「あの、私。最近のお姉ちゃんが心配で・・・」



思ってもいなかった言葉に目が点になる。



「心配ってどうして?」



俺の言葉にシドロモドロになりながらも彼女は答える。



「ここ1~2か月の間、学校が終わるとずっとあの公園にいるんです。



まるで、誰かを待ってるみたいに・・・」



彼女の話は、簡単に言うとこうだった。
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