<季節>サンタクロースの願い事
最近、彼女の姉・・・愛子さんはずっとあの公園にいて



いつも誰かを待っているということ。



今まで、愛子さんがそんなことをしていた事なんてなかったから心配で



昨日、たまたま通りがかった時に愛子さんと話していた俺なら



何か知っているんじゃないかと思い、話しかけたという事だった。



「そっか・・・でも。俺もつい最近なんだ。



お姉さん・・・愛子さんとああやって話したのは」



俺の言葉を聞いて、彼女は小さく「そうですか・・・」と呟いた。



「あっ敬語じゃなくていいよ。俺と君って同い年でしょ?」



俺の言葉に少し緊張していた、彼女が笑顔になる。



「はい・・あっ・・・うん。あの、了くんって呼んでもいいですか?」



「うん、いいよ。じゃぁ俺は・・・」



「あっ奈々子でいいです」



俺と彼女を包む空気が柔らかいものになった。
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