<季節>サンタクロースの願い事
「なんか、愛子さんは誰かをあそこでまっているんだって・・・。



俺も今日それとなく見ていたけど、時計を気にしながら誰か待ってたんだ」



俺はシュウジにゆっくり話す。



「奈々子も心配してるし・・・俺もなんか心配になってきちゃって。



明日。それとなく聞いてみようかな?って思うんだけど。



どう思う?シュウジ」



それまで、俺の横をフヨフヨ浮いていた彼はピタッと止まって真剣な表情になる。



「了がそうしたいなら、したほうがいいよ。



最後を決めるのは、自分自身なんだから・・・」



彼の大きな手が俺の頭をポンポンと叩く。



(あっ・・・・また。この感じ・・・どうしてこんなにも懐かしくなるんだろう)



シュウジの顔は、いつもと変わらず優しく俺に微笑んでくれていた。
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