<季節>サンタクロースの願い事
昨日の夜、帰って来なかったシュウジ。



俺は、一生懸命走った。



シュウジがどこにいるのかなんて予想も出来ていないけど



それでも、探しまわった。



いつの間にか、暗かった空が明るく澄んできた。



チュンチュンと雀の鳴く音も聞こえてくる。



俺は、昨日立ち寄ったお店まで来ていた。



ちょうど開店準備をしている店員さんが俺に気づく。



「あら?あなた、昨日来てた子よね・・・」



「あっおはようございます」



俺の言葉にお互いにペコンと頭を下げる。



「また、あの指輪。見に来たの?」



店員さんの言葉に曖昧に笑顔を向ける。
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