<季節>サンタクロースの願い事
「そういえば、一か月ぐらい前にあなたみたいな男の子が居たわよ~」



店員さんの言葉に俺の動きはピタっと止まる。



「え・・・?」



俺は、もう一度聞き返す。



「毎日、指輪を見に来てた子が居たのよ。



毎日、毎日、飽きないわね~って話した事あったのよね(笑)



その子、彼女にプレゼントしたいって最後の日に買って行ったのよね。



ちゃんと渡せたのかしら?(笑)」



店員さんの言葉に俺は踵を返す。



「あらっちょっと~・・・??」



店員さんの呼びかけを背中に受けながら、俺は足を思いっきり動かす。

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