<季節>サンタクロースの願い事
「了くん?」



ついボーとしてしまった俺に綺麗で澄んだ声が聞こえてきた。



「あっ・・・」



「どうしたの?」



俺に不思議そうに顔を向けてくる愛子さんが目の前にいる。



「いえ……」



(だって彼女になんて説明するんだ?!(笑)シュウジは、他の人に見えないんだし)



俺は、自分の手をジッと見つめる。



そんな、俺の手の上に彼女の細くて綺麗な手が重なってくる。



「了くん、私の話をしてもいい?」



彼女は、俺の話の核心からそれるように話しだした。
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