<季節>サンタクロースの願い事
俺の言葉に彼女は一瞬何を言われているのか、わからない状態だったと思う。



だってすごい、表情してたから。



ほんの数秒の後、彼女の口が開く。



「サンタクロースって…あのサンタクロース?」



俺は、笑われるだろうと予想していたから彼女の口から出てきた言葉に内心驚いていた。



「うん、あのサンタクロース…」



奈々子は、無言で顔を下に向けた。



(??どうしたんだ??)



俺は、訳もわからず座っていた椅子から立ち上がり、彼女の傍に座り直す。



それでも、彼女は顔を上げずに下を向いたまま。



俺は、気になって彼女の顔を横からのぞく。
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