キャンティ
俺は毎日仕事帰りに立ち寄る場所があった。


街の中心にある小さな病院だ。


その病院の1室に彼女はいた。


「おじちゃん、おかえり!」


ベットの上からうれしそうに俺を見る少女。


「ただいま。可奈。」


俺は可奈を抱き上げ高い高いをした。
可奈はキャッキャッとはしゃいでいた。


「今日は可奈にプレゼントを持って来たんだ。」


俺は昨夜キャンティという店で借りてきた動くティッシュカバーを可奈に渡した。


「わぁ。なぁに?これ?」

可奈はうれしそうにポテチを撫で回す。


「なんか、ふわふわしているわ。…ぬいぐるみ?」


俺はポテチの背中に可奈の手を持って行った。


「ティッシュが入ってるだろう?ティッシュボックスのカバーなんだよ。」


「へぇ?」


「ポテチって言うんだよ。」


すると、


「バ。」


とポテチがしっぽを振った。


「あははは。バ。だって。変な鳴き方!動くのね。この子。おもしろい。」


可奈は笑った。
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