キャンティ
「ねえ、マスター。」


「はい?」


「私、この子に会ったことがあるわ。」


「そうですか。」


「私がまだ幼なかった頃、遊んでくれたのを覚えてる。」


私はポテチを抱き絞めた。


「この子と…もう1人、優しくしてくれた人がいたわ。いつの間にかいなくなってしまっけれど…おかげで私はがんばれた。この子は私の恩人なんです。」 


私は涙を拭き、ポテチを見た。


「ありがとう。ありがとう。」


私は何度もつぶやいた。


この言葉が どうかあの人にも届きますように。


そう 祈りながら。
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