キャンティ
私は床に打ち付けた腰を押さえて立ち上がった。
ジョギングに行かなきゃ。


私がジャージに着替えようとすると、


「バ。」


ベットの上にいたポテチが鳴いた。


「ジョギングに行ってくるね。」


力の入らない声で私が言うと、ポテチはベットをポンポンとたたきながら、


「ねてれバ。ここにねてれバ。」


と言った。


私はポテチを抱き上げた。


「ありがとう。心配してくれてるのね。でも、見て…」


私はそのままポテチを大きな鏡の前に連れて言った。


「私、こんなに太っているのよ。たった1キロなのに、全然痩せないの。」


鏡に映った私の姿はとても醜かった。


丸々と太い腕と足。ぽっこりと飛び出したお腹。垂れ下がったお尻の肉。
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