キャンティ
「こんなんじゃダメなのよ。もっと…もっと綺麗にならないと…ダメなの。」


私は自分の醜い体を見ながら悔しくて悲しくて涙を流した。


「バ。」


ポテチは私の腕の中でじっとしていた。
私はポテチからティッシュを1枚もらい、涙を拭いた。


「ねてれバ。」


ポテチがまた言った。


「いいえ。行くわ。」


私はポテチの言葉を無視し、ジョギングに出かけた。



「聞いた?あいつ、新しい彼女ができたらしいよ。」


その日の夕方、私をふった元彼との共通の友人、哲也から電話があった。


元彼に新しい彼女ができたという聞きたくもない内容だった。


「そんな報告いらないし…。」


「でもお前、あいつにふられてダイエットやる気になったんだろ?この報告でさらにお前のやる気が出るんじゃねーの?」


哲也は笑う。


「言っとくけど、私もうあの人のことなんてなんとも思ってないから!」


そう言って私は力強く電話を切った。


まったく腹の立つ電話だ。


言われなくてもやる気満々だっつーの!
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