キャンティ
しかし、


次の日も私の体は石のように重く、自力で動かすことができなかった。


私は焦った。


このまま寝たきりになってしまったらどうしよう。


食べて寝てるだけの生活。


どれだけ肥えてしまうのだろうか。


そんなのイヤ!


私の脳裏に元彼が新しい彼女と楽しそうにデートしている姿が浮かぶ。


「ねてれバ。」


すると、起きられない私の姿を見て、ポテチはまた指図をした。


「うるさい!」


私はポテチを睨んだ。


「それ以上言うとティッシュごと燃やすわよ!」


「バ。」


慌てるポテチを横目に私はベットから這い上がり、服を着た。


「絶対、絶対痩せてやる。」


いつしかその執念だけが私を動かしていた。

< 57 / 61 >

この作品をシェア

pagetop