キャンティ
ポテチ。


そう。確かポテチって名前だったな。


ごくん…


僕は思い切って名前を呼んでみることにした。


「ポ、ポテチ。」


すると、どうだろう。


彼は短いしっぽをパタパタと振り始め、しまいには、

「バ!」


っと声を発したのだ。





困った…。


僕は部屋の隅っこで考えこんだ。


あのマスターに返しに行った方がいいだろうか。
こんなティッシュどうにも気味が悪い。


僕が頭をひねっていると、ポテチは僕に何かを訴えてきた。


「バ、バ、いれれバ、いれれバ!」


いれる?


何を?


あ!そうか。


僕はとっさに家にあったティッシュボックスを彼の中に入れてみた。


「バ!」


ポテチはうれしそうにしっぽを振ると早速自分の背中のティッシュを取り出し、床を拭き始めた。


綺麗好きなのだろうか。


でもまぁ悪い奴ではなさそうだ。


僕はポテチを抱き上げた。

その時、


プルルルル…


最近鳴ることのなかった僕の携帯電話が突然騒ぎだした。

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