イチゴの気持ち ~イチゴ達のラブストーリィ~
隆斗兄(たかとにぃ)が結婚することを聞いたのは去年の夏だった。


花火大会にいつも来る隆斗兄は私のいとこだ。


私より10コ年上。


だから、会うたびにいつもこう言う。


「お前が赤ちゃんだったころ、俺はおむつの交換もしてやったんだからな。手もちっちゃくってさ、ホント、かわいかったなぁ。いつも俺の前で大泣きしてさ、でも、おれがあやすとピタッと泣きやんだんだぞ。今も泣き虫と頑固な所はかわんないけどな」



やさしいタカト兄。笑顔が素敵なタカト兄。運動できて勉強もできてかっこいいタカト兄。



『もぅ、いつも子ども扱いして。もう、泣き虫じゃないもん』


そう言って頬を膨らませタカト兄と反対の方を向く。


「ごめん、ごめん。膨れるところもかわんないよな。でも、泣きたくなったらいつでも俺のところにこいよ」


そう言って、私の頬を優しくつついてくれる。


いつも、いつも、そうだったのに…
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