イチゴの気持ち ~イチゴ達のラブストーリィ~
「隆ちゃん、今年は、浴衣着たいねって、言ってたんでしょ。だから、用意してあるわよ。麻衣が選んだ柄だから、センスいまいちだけどね…」
センスいまいちって、お母さんひどい…
でも、確かに私が選んであげだんだ。だって、私の浴衣姿を見て、俺も来年は着たいなーって言ってたから…
だから二人で着ようねって思って選んだのに…
「えー、いいの。でも、美咲は持ってきてないし、俺だけってのも…」
「いいよ、タカ君の浴衣姿見たいし…」
二人の甘い会話の部屋の横で私は炭酸を勢いよく飲んだ。
「おばちゃんが隆ちゃんだけに着せると思う?大丈夫よ、美咲ちゃんの分もあるわよ。私のお古だけど。よかったわ、今年麻衣にどうかと出してみたんだけど、この子には合わなくて、そしたら生意気に新しいのなんか買うことにして」
そうですよ、あんな古臭いの。
渋くて似合わなかったもんね。
だって、今年はタカト兄と浴衣で花火だからって気合い入れてたのに…