イチゴの気持ち ~イチゴ達のラブストーリィ~

「そうかぁ、ありがとな。麻衣、美咲見てみろよ。いいよな、おばちゃんの浴衣すげぇ似合ってる。いいよな、いい」


「やっぱり、いいものはいいでしょ。まぁ、着る人もいいからだけどねって、隆ちゃん言いたいんだろうけど」


お母さんが汗を流しながら帯形を整えながら言った。


「おばちゃんが着ても、いいと思うよ。この浴衣、色も柄も渋いけど、何とも言えない落ち着きがあって、大人の色気って言うの?感じるよね。麻衣はどう思う?」


大人の色気?なんだかやらしい表現。


おやじの目線じゃん。


私が黙っていると、お母さんが声をかけた。


「ほら、麻衣も着るんでしょ。隆ちゃん達は客間で待っててよ、麻衣を着せ終わったら草履出すからさ、ほら、麻衣ぼさっとしない、早くして時間ないんだからさ」



ぼさっとって…なんで私が怒られなきゃいけないの?
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