イチゴの気持ち ~イチゴ達のラブストーリィ~
「あのさ、あの時ごめんな…花火の日…いつも一緒だったのに、俺、自分のことしか考えてなくて」
…ごめんって…
「あの浴衣、すごく似合ってたな、俺、ドキドキしたんだぜ」
…なんだ、ちゃんと見ていてくれたんだ…
「麻衣もウエディングドレスきっと似合うんだろうな…」
『やだ…親父意見だよ…でも、うれしいよ、ありがと』
二人で笑った。
「麻衣、今日のケーキ楽しみにしてろよ」
『…なんで?』
「俺が麻衣との話をいろいろした中でさ、あいつ覚えてたんだよな。美咲がどうしても麻衣にプレゼントとしてこのケーキにしたいって言ってさ…」
話の途中でタカト兄は式場の人に呼ばれ戻っていった。
私も、会場に戻るとタカト兄の友達が盛り上がっていた。
「麻衣、どこに行ってたのよ?料理さめるわよ。あんたの好きなエビもあるわよ、最高よ。隆ちゃん達奮発したわね」
そう言いながらお母さんは着物の帯の所を触りながら苦しい、苦しいと言っていた。
…ケーキか…
オレンジジュースを一口飲んだ時、会場が暗くなり司会者の人の声ともに音楽がなった。