イチゴの気持ち ~イチゴ達のラブストーリィ~


教室の窓から外を見ると体育の授業でサッカーをしている様子が見えた。


瑛君のシュートが決まった。うーん、かっこいい。瑛君みたいな人だったら、後で思い出しても素敵な記憶にきっとなるんだろうなぁ。

甘いキス。きれいな夕焼けの風景が浮かぶ。サッカーゴールの前で、二人の影が重なるぅ…

いやぁーいい。瑛君となら最高のFKになる。


そんなことをにやけながら考えている時だった。


「こらっ」


先生の声が響いた。


…やばぁ…よそ見してたのばれちゃった。思わず下を向くと…


「春哉、お前また忘れたのか…これも今日の課題に追加だからな」


「えー、先生。朝練で忙しくってさ…勘弁してくれよ…」


よかった。怒られたの私じゃなかったんだ。


それにしてもまた、春哉かぁ…


こんなやつだけとはしたくないなぁ…まったくのダメンズ。


忘れ物多いし、先生に怒られること多いし、部活バカだし…カッコ良くないし…


こんな奴とは間違ってもしたくない。

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