イチゴの気持ち ~イチゴ達のラブストーリィ~
「じゃぁ…美化体育委員よろしくな…」


職員室で先生がプリントを渡した。


「はーい、じゃぁ、失礼しました」


なんで、なんでこいつと…よりによって一番仕事があって、みんなが避けている役になってしまった。どうしてじゃんけん弱いんだろう…


「よろしくな、七海。明日、全校委員会だってさ、おっ、1組は勇じゃん。ラッキィ。3組は瑛汰か。風香もいるじゃん。七海、仲いいんだよな。同じ部活だろ」


『…えっ…』


瑛君の名前を聞きプリントを見る。


ホントだ、瑛君も一緒かぁ。うれしい。おもわず笑顔になる。


「七海ってさ…」


『…なっ…なに?』


春哉が顔を覗きこみながら言った。


「七海ってさ、時々唇に手を当てるよな」


『えっ…』


「そんで何か考え事してるって言うか、ぼんやりしてるっていうか…なんでやってるのか
なぁって」


ぼんやりって…なんでやってるのかなって…しっ、失礼だよ。私は真っ赤になりながら答えた。


『べっ別に…やっている意味なんてないよ、そんなことしてる?私』
< 54 / 73 >

この作品をシェア

pagetop