イチゴの気持ち ~イチゴ達のラブストーリィ~
「それでは月一回の全校生徒美化活動と、学期一回の美化委員奉仕活動ということね。じゃぁ、それぞれのクラスの分担票を学年ごとに作って、職員室の私の机に置いておいてください」
真面目な女の先生の声が教室に響く。
えー、今からか。部活遅れちゃうな…もうすぐ定期演奏会があるから張り切ってんのに…
いつもなら部活さぼれるからラッキィって思うけど…しょうがない…
でも、学年の仕事はうれしい。なんて言ったって、瑛君と一緒にいられるし…
「七海、お前字書いてくれ」
『私が…』
「俺が書くよりいいだろ。お前字きれいじゃん、だから…」
もぅ、春哉。余計なこと言わないでよ。
しぶしぶマジックを手に持つと瑛君が私の近くに…
「えー、面倒癖いな。とりあえず花壇の水やりって名前入れといて。じゃぁ、俺、行くわ」
「行くわって…まだ、仕事も分担しなきゃ」
風香がカバンを手にする瑛君に向かって言った。
「だって、もうすぐ練習試合があんだよな」
「でも…」
風香が返事に困っていると…
「早めに終わらせるようにしようぜ。吹奏楽ももうすぐ定演なんだよな」
春哉が言った。