イチゴの気持ち ~イチゴ達のラブストーリィ~

『おいしい』


「そうだろ、俺さ、ミルク味が好きだって言ったでしょ。でも、この前七海からもらったイチゴの味忘れられなくてさ、そしたら見つけたんだ。つい買っちゃったんだぜ。このイチゴミルク」


あの海の帰り道での春哉の言葉を思い出す。


七海の味…


『そっか、じゃぁ、ミルクは春哉が好きだから、このイチゴミルクは二人の味ってことだね』


私は唇に手をあてながらそう言った。


「ありがとな、七海。じゃぁ、ここに大切な発見やいい経験になりました。って書いて、終了」


春哉の書ている様子を見ていたその時、春哉の顔が私の顔に近づき二人の唇が重なった。


「うん、二人の味。秘密だぞ。七海これからもよろしくな」


『うん』


二人の頬はまるでイチゴのように真っ赤になっていた。
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