少年殺人鬼(6p短編)
少年殺人鬼
やめてくれ、もうやめてくれ。
自分より随分若い、まだ幼さの残る少年の足にすがり付き、懇願する。
少年はそんな俺の声等まるで聞こえていない様子で、黙々と作業を続けた。
女のか細い肩を鷲掴み、掻き毟り、髪を引きちぎる。
目の前で壊されていく。
俺の愛した女が。
少年の背中越し、苦悶の表情でこちらに手を伸ばす彼女が見えた。
俺も慌てて手を伸ばす。
もう少しでお互いの指が触れようかという時、頼りなげな細い手首を、白いスニーカーが踏み落とした。
何故俺達がこんな理不尽な目にあわなければならないのか。
「何なんだよ、何でこんな事するんだよ、誰なんだよお前は。
どうしてそっとしておいてくれないんだ」
現状が理解を超え、訳も分からず涙が溢れる。
それは、名前も知らない少年に対する怒りなのか。
助けを求める彼女に何もしてやれない、無力な自分に対するものなのか。
分からない。
分からないけれど、こうしている間も、少年はただ坦々と彼女を壊し続けるのだ。
自分より随分若い、まだ幼さの残る少年の足にすがり付き、懇願する。
少年はそんな俺の声等まるで聞こえていない様子で、黙々と作業を続けた。
女のか細い肩を鷲掴み、掻き毟り、髪を引きちぎる。
目の前で壊されていく。
俺の愛した女が。
少年の背中越し、苦悶の表情でこちらに手を伸ばす彼女が見えた。
俺も慌てて手を伸ばす。
もう少しでお互いの指が触れようかという時、頼りなげな細い手首を、白いスニーカーが踏み落とした。
何故俺達がこんな理不尽な目にあわなければならないのか。
「何なんだよ、何でこんな事するんだよ、誰なんだよお前は。
どうしてそっとしておいてくれないんだ」
現状が理解を超え、訳も分からず涙が溢れる。
それは、名前も知らない少年に対する怒りなのか。
助けを求める彼女に何もしてやれない、無力な自分に対するものなのか。
分からない。
分からないけれど、こうしている間も、少年はただ坦々と彼女を壊し続けるのだ。