好きと言わせて
ダイスキ
わたしがおもむろに立ち上がるとインターフォンが鳴った。



何回も何回もけたたましくなるインターフォン。



でもこの家にはわたし以外誰もいない。



お父さんは仕事でまだ帰っていないし、お母さんは玄関に靴がないから買い物に行っているんだと思う。



だから必然的に出るのはわたしなんだけど、こんな惨めな格好を人様にさらせない。



泣きじゃくってぐちゃぐちゃになった顔を人には見せられない。




よし、居留守を使おう。



わたしはそう決心した。
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