好きと言わせて
わたしは玄関においてあったティッシュで涙をぬぐうと光の前に姿を見せた。


「何。」


わたしはそっけなく光に言った。



これ以上わたしの心をかき乱して欲しくない。



そういう思いをこめて。



「俺は桜がずっと告白しようとしていたのを知っていた。」




ああ、やっぱり。



知っていて避けていたんだ。



「だから、光がわたしのことをなんとも思ってないのは知ってるって言ったでしょ。
もしかしてさっきの告白の返事を言おうとしてるの?
別にいいよ、返事なんかしてもらわなくても。」



どうせ答えは決まっている。



「違う、そうじゃない。」



え、そうじゃないってどういうこと?



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