第六感ヘルツ
12,地球を沈めてみようよ
「なあなあ、これ地球なんだって!」
ケンジくんが変なことを言った。
手にはまあるい青いやつを持ってる。
「地球?」
「うん」
「そんなのケンジくん持ってたっけ?」
「何か変なおじさんにもらった」
へえーとか言いながら、ケンジくんの持ってきたそれを眺めてみる。
まあるい青いそれは、学校で勉強した地球によく似てると思った。
スライドで、先生が見せてくれたあれだ。
「でもさ、知らない人からものもらっちゃだめだよ」
「えー」
「爆弾とかだったらどうする?」
「マジ!?それすごくない!?」
確かに、それはそれですごいかもしれない。
ちょっとわくわくしてきた。
「ちょっと貸して」
「特別な」
「うん」
そうっと受け取ってから、小さく揺らしてみた。
「う、お!?ゆ、揺れた?」
びっくりした。
地面が揺れた。
小さく揺らしただけなのに、僕達の立ってる地面が。