第六感ヘルツ
「じゃあ『薔薇』は……」
「はいっ!」
「はい、山田くん」
「会田さんがいいと思います」
ほらね。
やっぱりそうよね、あたしよね。
だってほら、本物のお嬢様なんだし、髪の毛だってくるくるで目だってぱっちりしちゃってる。
うふ、うふふ、うふふふふやっぱり、やっぱりねそうよねうふふふふ。
「うふふふふ、くすくす、くすくすくす」
「おい、またあいつ笑ってるぜ」
「見た目も服も全部会田の真似っこだもんなー」
「何か会田がかわいそう」
「でもさ、あいつあれで頭だけはいいんだぜ」
「頭『だけ』だろ。でも何か気持ち悪い」
「では、『薔薇』は会田さんに決まりました」
「はい」
うふ、うふふ、うふふふふ。
はい、頑張ります。
26,薔薇になれなかった少女
【エンド】