君の恋~夏の日記~
「でも、やっぱ俺…まだ樹里の家庭教師うけたいし…これからも普通に話したりしないか?」
俺がそれだけ言うと、
一秒が一時間にでも感じれるほど重い空気が流れた。
「………無理だよ……」
「私…一樹のこときっぱり諦めきれないもん」
小さな声で樹里が呟いた。
「そ…そうだよな…なんか、ごめん…」
なんて、空気に流されることしか出来ない俺。
それに気づいたのかも分からないけど、今までに見たことないくらい樹里の顔は怖かった。
「謝るくらいなら、ふらないでよ……もう、帰って」
人にそこまで拒絶されたのは初めてで、
俺はやっぱりただ、流されて帰ることしか出来なかった。