キミが教えてくれたウタ
ギターの弦を交換してる私に由香が呟く。「もう…茜はさぁ、部屋で歌ってるんじゃなくて、たまには外出てみなよ!!」呆れたようにこっちを睨んでくる。
私は仕方なく、ギターをケースに入れながら「じゃあ海でも行ってくる。」とだけ言って、支度をし始めた。

「また海?」って言ってる由香を背に…。
私はギターケースと1冊のノートを持って部屋を出ようとした。

「待って茜!!…苦しい所とか…ない? 無理しちゃあ駄目だからね―?」って由香が笑いかける。

これは同情じゃなくて…長い間付き合ってきた親友の優しさ。

「大丈夫。すぐに帰ってくるから。行って来ます!!」私は笑いながら…部屋を出た。
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