【中編】彼女の嘘
「そうだよな。」


彼方は、不安そうな顔だった。


裏切りたくない。


やっぱり、結婚するべきなのかな?


彼方には、さりげに言われてる。


このまま一緒に入れるなら、籍を入れようって。


けど、居場所がバレちゃうよね。


それに、踏ん切りがつかない。


こんな行動を起こしながらもうじうじ。


どうしたらいいんだろう。


ただ、もし籍を入れて、疾風に再会した時が怖いんだ。


そのまま、疾風に行きそうで。


ありえないとか思いながら、裏切りそうで。



そして、見たくないんだ。


疾風の傷ついた顔を。


すでに傷つけてるけど、せめて疾風に彼女ができそうな期間までは。


せめて、1年はこのままでいたい。


じゃなきゃ、いけない。


勝手にそう思っている。


だって、まだ彼方は疾風の身代わりだから。
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