【中編】彼女の嘘
「遼は、俺との結婚を願っているんでしょうか?」


「遼と一緒に住み始めた当初言ってたんだ。すべての初めてを疾風くんにあげたいとね。けど、誰かのために家事をするのは、俺がはじめてになっちゃったって。ちょっと、悲しそうに。」


俺は、苦笑いするしかなかったんだよな。


「俺、遼と話しがしたいです。」


疾風くんは、急に立ち上がった。


「わかった。今日、来るかい?」


「えっ?でも....」


「うまくいったら、遼の部屋に泊まるといいよ。注意としては、あんまり物音をたてるなよ。」


だって、仲直りした後っていうかさ。


そういうときって、盛り上がるだろ?


独り身の俺には辛い。


だからと言って、遼とヤりたいって感情はない。


妹みたいな存在だから。
< 63 / 82 >

この作品をシェア

pagetop