Boy Friend


「とにかく・・・苦いのね」



溝口はトーンを低くして
あたしの顔を
優しく見つめる。



「う、うん・・・」



やっぱりドキドキして、
あたしは返事をしてしまった。




「今日さ、一緒にディナー、
食べない??」



ディナーとか言うところが
また、キザなように思える。



「別に・・・いいけど」


あたしは少し照れながら
俯く。



「じゃぁ、今日の7時に
寮の裏で!!」



そう言って、寮に
入っていってしまった。



「え? あっ!!
ちょっと!!!?」



気付かないうちに、
もう学寮に着いていたらしい。




「もう、自己中・・・」




だけど、嬉しかった。


夕食に誘われたのは、
女子と仲氏以外、

初めてだった。









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