俺様執事に全てを奪われてⅡ
どさっと、元がベッドに倒れこむと、汗をかいている顔を枕に押しつけた

「元、もう嫌だからな!」

「わかってるよ。俺だって、無理だ」

元が裸の身体に布団をかけた

「このまま寝るのか?」

「疲れた」

「疲れるほど、やらなければいいだろ」

「仕方ないだろ」

元が瞼を閉じると、スーッと寝息が聞こえてきた

もう…寝たのか?

わたしは身体を起こすと、脱がされたパジャマをいそいそと着替えた

元って、モテるのに、どうしてわたしがいいのだろう?

不思議だ

どうして、わたしを好きになったのか?

もっと良い女はたくさんいただろうに…結婚を考えたりはしなかったのか?

わたしは、身近にいる男性は元しかいなかった

わたしの身を案じ、わたしを見てくれる元を好きなった

でも元は?

わからない

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