俺様執事に全てを奪われてⅡ
元は大勢の女性と付き合って、いろんな女性を見てきているはずだ

モデルのようにスタイルがいいわけじゃない

料理ができるわけでもない

気がきく女でもない

じゃあ、どこがいいのか?

わたしには、わからない

だから、元の気持ちに自信が持てないんだ

寝息を立てて、気持ちよさそうに寝ている元の額にわたしはそっと触れた

元、好きだ

でも…自信がもてない

元がわたしを好きだという自信が…ないんだ

どうして、元がわたしを好きなのか?

わからない

きっと自信がないから、すぐに不安になってしまうのだろうな

不安になってしまうから、元の言葉を信じられなくなる

悪いことを想像して、ほんとに悪いことが起きたときのために、心の準備をしているんだ

事実だった場合に、ショックが大きくならないように

「怖いんだ、元。元は格好良いから、絶対に魅力的な女性が現れる。そう考えるだけで、胸が痛い」

わたしは、眠っている元の顔を見ながら呟いた

今は、浮気をしてないかもしれない

でも、本当に浮気をしたら?

わたしはどうしたらいい?

わたしはどんな対応をするのだろう?

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