俺様執事に全てを奪われてⅡ
それって…元への当て付けじゃないのか?

嫉妬しろ…とか

ヤキモチを焼け、とか

そういった類の感情を期待してたんじゃないのか?

違うのか?

高校の頃の元ってどんな奴だったのだろう

2年と3年は生徒会長をしてたって言ってたけど、どんな生徒会長だったのだろう?

あの容姿なら、モテたはずだ

どんな恋愛をしてきたのだろう

すぐにフラれるって言ってたけど、きっと長く付き合った女性だっていたはずだ

どうして何も言ってくれないのだろう

知りたいと思ってるのに、『過去だから』って何も言ってくれない

「飲み会か…わたしには梅酒すら飲ませてくれないのにっ」

26歳だからって、飲みやがって!

2、3時間で帰ってくるって言っておいて、どうせすぐには帰ってこないんだ

話しが盛り上がって、気がついたら5、6時間が過ぎてるんだ

…て、今まで元はそういう場所には行ってなかったのに

近くでやるって言ってた、な

もしかして鈴村先生が、飲み会を企画したのか?

元が参加できるように、近くの飲み屋を会場にしたのか?

「…考え過ぎか」

わたしは自分の頭を、こつんと叩いた

『不安にならないの?
もしかしたら…って思わない?』

鈴村先生の言葉が蘇る

元は…真面目だから、そんなことはない
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