昼休みに、あなたと。
私が怒られそうになってるのはあなたのせいでしょ!?と言わんばかりに目の前の先輩を睨んでみたけれど、先輩はまったく気にする様子もなくて。

「それにしても、更級日記って渋いね。古典好きなの?」
なんて聞いてきた。

あなかから隠れるために逃げ込んだ本棚がたまたま古典の棚だっただけです。…なんてさすがに言えるはずもなくて。

「授業で出てきたからなんとなく読んでみただけです。」と答えた。


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