オンナの園
結局、この日、和也はムーンの視線を感じてくれず、同じ部屋の彼とずっと、しゃべりながら、走り続けていた。



そう、この彼、ここちゃんのタイプの彼。


仁くんそっくりの、名前……えっ!?



ん…仁だ!


仁の事をみつめているのは、もちろん、ここちゃんだけでは、なかった。


クリクリ巻髪をやたらと気にして走っている、オンナ…


そう、さやかだぁ!



ここちゃん、さやかは強敵だよ。




それと、ここにきて、初めての登場。

りんちゃんだぁ。りんちゃんは、りんりん教官の、いとこで、なぜか、遊びにきていた。



仁を見つめる表情は、あの恐ろしい、りんりん教官のいとことは、とても思えない。


『りんりんおねぇーちゃん、りん来てよかったぁ。電話もらった時、こんな山の中に、そんな、かっこいい男子いる?って思ったけど、来て、正解!!りん、仁とぜったい、つきあうから〜』


『お〜う、りん、来てよかっただろう?明日で、帰ってしまうから、りんのタイプかなぁ?って思って電話したのさ。ウフフ…』



こりゃあ、たいへんだぁ。まさしく、仁、争奪戦じゃあないかぁ。


仁は誰に告白するんだろう?


仁のことより、和也、わたしの和也〜


こっちをむいてぇぇぇぇ


< 43 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop