こっちむいて伏見!

教壇に先生がいて、

アタシは廊下に近い端っこの後ろの席。


隣の隣の列の2つ前の席には

マユコが座ってる。




それから。



…そこからずっと横の窓側の席のほうには

伏見が座ってる。



カーテンが揺れて風が入ってきて、

時々彼の姿がカーテンで隠れて見えなくなる。


あの授業のとき、
決まって彼はいつも眠たそうにあくびをする。


何回も。



そんな風景を思い浮かべて、


ずっと昔の出来事のように思えて、

胸の奥が苦しくなって。


涙が出そうになる。



また学校へ行けば同じ出来事が待っているのに。


変なの。






…明日は学校へ行こう。


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