こっちむいて伏見!
「えへへ、はないやろ?
せっかく心配して来てやってんのに」
「あ…すいません」
慌てて頭を下げて謝るアタシに先輩はくすくすと笑う。
そして下げたアタシの頭をぽんと軽く叩く。
「髪…」
その先輩の言葉にアタシは顔をあげて自分の髪を触りながら答えた。
「そうなんです。これ、
今切ってきたところなんです。
あのままやと格好悪くて学校も行かれへんし…」
似合ってるかな、
どうかな、
そう思いながら。
「うん、よう似合ってる」
その先輩の言葉にアタシはぱあっと笑顔になる。
「あ…ありがとうございます」
「伏見もびっくりするんちゃうか?」
伏見、その先輩が発する言葉でアタシの心臓はどきっとする。