こっちむいて伏見!

「昨日さ、
あの続きなんやけど。
深草が部屋飛び出したあとに、
伏見に事情を聞こうとしたら…。
アイツもムスッとして出て行ってさぁ」


そりゃ、そうだろう。

彼も機嫌が悪かったんだから。


「で、帰ってくると思って待ってても結局帰って来ず。
今日は絶対に事情を聞こうと思って生徒会も抜けて
いつもよりも早く部室で待ってたら…」


そこまで言って先輩はまた笑い出す。


「今日は伏見が落ち込んだ顔して入ってきて…」


なんで伏見が落ち込むの。

別に彼が悪いわけでもないのに。



髪切ったのはアタシが自分の意思で勝手に自分で切っただけで。

伏見くんはそれを止めようとしただけ。


ますます彼のことがわからない。

先輩の話を聞きながら思った。


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