こっちむいて伏見！

「へ…へぇ。
そうなんですか…」


アタシはそう返事する。


まあ、でも確かに。

伏見ってそういう感情的な部分の話をするような人間じゃないし。

不器用っていうのか、
なんていうのか。


なのにそれを一生懸命、
先輩に話してるって…。



ホント、彼には悪いけどその場面想像したら。

ちょっと笑えるかも…。



アタシの笑顔を確認するように先輩はうなずく。


そしてアタシの脈アリかもしれないって思いに自信を持たせるように先輩は言った。



「せやしアイツも深草には、
まんざらでもないと思うねんけどなぁ」


その言葉にどきっとする。


「本当に…そうでしょうか…？」


それでもやっぱり、
不安なところも。