こっちむいて伏見!

「…へ?…なにそれ…?
4点…?」


聞こえたその声に顔を上げると帰り支度をした、
マユコがいた。


彼女はカバンを床に置きながら、
机の上のテストを手に取り、
感心する。



「好きでこんな点、
取ったんちゃうもん…」


力なく答えるアタシに彼女は呆れながら言う。


「それでもちょっと酷いんちゃうん?
アタシでも15点やで?」


実際、
マユコの点数だってそんな大したもんじゃない。

でもアタシの点と比べると雲泥の差。

月とスッポン。

豚に真珠。

あ、これは違うか。



マユコがケラケラと笑っている。

どこか安心しているようにも見えるし。


さしずめ自分よりもずっと点数の悪い奴がいたってことで安心したのだろう。



もうすぐ期末テストなのに。


このままだとかなりヤバイかも。


彼女の笑い声を遠くに聞きながらぼんやりと考える。


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