こっちむいて伏見!
「伏見っ!」
アタシは彼の席まで行って背後から声をかけた。
「わっ!!
急に声かけてくんな!」
彼はアタシから逃げようとしながら怒鳴る。
「なんで落ち込んでんの?
伏見もなんか点数悪か?った?」
アタシがそう言うと彼は表情が変わる。
図星か?
わかりやすいなあ。
「やっぱり、点数が悪かったんや…?」
アタシの中にあったさっきまでの落ち込んだ気持がふっと消える。
だって、
なんでもいいから共通点があるとちょっと嬉しいから。
「でも心配せんといて。
アタシも悪かったし。
せやし一緒に勉強してこの期末は2人して一気に点数取ろっか?」
そう言いながらアタシは伏見の答案を彼が隠した腕の下から引っ張り出した。
「…あ…?」
彼の点数はアタシとは全く逆で、
数学が44点、現代文が9点というものだった。